
バドミントンでとても大切なのが「フットワーク」です。これは、シャトル(羽根)にすばやく反応して、いい位置から打ち返すための動きのことです。フットワークができていないと、ミスが増えたり、体力を無駄に使ってしまいます。この記事では、初心者でもわかりやすく、フットワークの基本や練習方法、応用まで詳しく紹介していきます。

フットワークとは?初心者が知っておきたい基本
バドミントンのフットワークは、ただ走ったり歩いたりすることではありません。相手のショットにすぐ反応して、シャトルを正しい位置で打つための「体の動かし方」や「バランスのとり方」も含まれています。
コートの真ん中に立っていても、前・後ろ・左右にすぐに動けるようになるには、2〜3歩以内で正確に動けるようになることがポイントです。これにより、打点が安定し、ショットの精度も高くなります。
なぜフットワークが重要なのか
バドミントンはとてもスピードの速いスポーツです。シャトルは時速500kmになることもあるので、ちょっとでも反応が遅れるとシャトルに追いつけません。
- しっかり止まること
- 正しい姿勢で構えること
- 次の動きにすぐつなげる準備をすること
この3つもフットワークの大切な部分です。これができると、疲れにくくなったり、ケガの予防にもなります。さらに、相手の攻撃に対応しやすくなり、試合を有利に進めることができます。

初心者がまず覚えるべきフットワークの基本ステップ
最初に覚えておくと良い動きは次の通りです。
- リアクションステップ:相手が打つ前に小さくジャンプして、すぐ動き出せるようにする
- ツーステップ:ネット前にすばやく近づくときに使う動き
- サイドステップ:左右に動くときや真ん中に戻るときに使う
- クロスステップ:遠くに動くときに、足を交差して進む方法
- スキップ:奥のシャトルを打ったあとに、真ん中に戻るときに使う
(※それぞれの動きが見られる動画やイラストがあると、もっと理解しやすくなります)
最初はゆっくり、動きを正しく覚えることが大切です。だんだん慣れてきたらスピードを少しずつ上げていきましょう。反復練習によって、体が自然と動きを覚えてくれるようになります。
リアクションステップとは?動き出しを早くするためのコツ
リアクションステップとは、相手がシャトルを打つ瞬間に小さくジャンプし、その着地の反動を使ってすばやく動き出すための動作です。バドミントンのようなスピードの速いスポーツでは、この「最初の一歩」がとても重要になります。
このステップを取り入れることで、反応速度がぐっと上がり、遠くのシャトルにも素早く反応できるようになります。また、無意識のうちに体が準備状態に入るため、どの方向にも動きやすくなるのが特徴です。
ジャンプは高く跳ぶ必要はなく、軽くその場で跳ねるだけでOKです。ポイントは、力を入れすぎずリラックスして行うこと。最初はゆっくりと感覚をつかみながら、反復練習して体に覚えさせましょう。
ツーステップとは?ネット前への素早い移動に最適
ツーステップは、バドミントンで短い距離を素早く移動するのに最も効果的な動きの一つです。特にネット前へ素早く詰めるときや、ネットからホームポジションに戻るときによく使われます。
このステップは、利き足(ラケットを持つ側の足)を前に出し、その後ろ足を素早く引き寄せるように動かすのが基本です。足を交差させずに“すり足”のような感覚で、地面からあまり足を離さずに動くのがポイントです。
ツーステップは静かでスムーズに移動できるため、相手に気づかれにくく、次のショットへの構えが素早く取れるというメリットがあります。小刻みに足を動かすことで、バランスを崩さずに止まることができ、ネット前でのミスも減らすことができます。
初めての方は、鏡の前でフォームを確認しながら練習したり、ラダーを使って足のリズムを整えたりすると、効率よく習得できます。

サイドステップとは?左右の移動とセンター戻りに便利な基本ステップ
サイドステップは、バドミントンにおいて左右に素早く移動するための基本的なフットワークです。シャトルが真横に飛んできたときや、打った後にセンター(ホームポジション)へ戻る際によく使われます。
動き方はシンプルで、片足を横に出し、もう一方の足を引き寄せてそろえる動作を繰り返します。両足を交差させないことが大切で、いわゆる「カニ歩き」のようなイメージです。
このステップのメリットは、常に構えた姿勢を保ちやすく、素早くストップ&ゴーができる点です。シャトルに対して正面をキープしながら動けるので、安定したショットにつなげやすくなります。
また、動きの中で目線がぶれにくく、シャトルを見失いにくいのも大きな特徴です。ネット前のレシーブやドライブ戦でも活躍する場面が多く、初心者のうちからぜひマスターしておきたいステップです。
クロスステップとは?長い距離を素早く移動するためのテクニック
クロスステップは、バドミントンで比較的長い距離を一気に移動したいときに使われるフットワークです。特に、フォアハンド側の奥やバック奥にシャトルが飛んできたときに、素早く追いつくために活躍します。
このステップは、進行方向とは逆の足を前に交差させるようにして踏み出すのが特徴です。例えば右に移動する場合は、左足を右足の前にクロスさせて出すことで、通常よりも大きな歩幅で前進できます。
クロスステップは、スピードを出しやすく一歩の移動距離が大きいため、時間のない場面で素早くシャトルに追いつくのに非常に効果的です。ただし、動きが大きくなる分、バランスを崩しやすいため、しっかりと姿勢を保つ意識が重要です。
フットワーク練習では、シャドウでフォームを確認しながら、クロスするタイミングと足の位置を繰り返し体に覚えさせましょう。滑らかに移動しつつ、次のショットへの準備もできるようになると、試合でも強い武器になります。
スキップとは?奥から素早く戻るときに使えるリズミカルなステップ
スキップは、後ろ奥のシャトルを打った後に素早くホームポジションへ戻るときや、ラウンド側(利き手と反対側)の奥へ動くときに使われる、リズム感のあるフットワークです。
このステップは、片足で軽く地面を蹴ってジャンプしながら、もう一方の足を前へ送るように動きます。まさに「スキップ(かるく跳ねる)」という名前の通り、バネを使って素早く滑らかに移動するのがポイントです。
特に、フォア奥で足を入れ替える時間がなかったときや、相手の返球が早そうな場面では、このステップで重心を素早く戻し、次の構えに移ることができます。
スキップは上半身をぶらさずにリズムよく行うことで、動き出しや戻りの速度を高めることができます。慣れるまでは動きがバラバラになりやすいため、シャドウ練習やテンポのある音楽に合わせた練習がおすすめです。
正しい構え方とバランスのとり方
動き出しが早くなるためには、構え方がとても大切です。肩の力を抜いて、つま先に少し体重をかけて、リラックスした姿勢で構えましょう。
足は肩幅より少し広くして、ひざを軽く曲げます。体の重心は少し前に置くと、どの方向にもすぐ動きやすくなります。この姿勢をキープすることで、目線も安定してシャトルが見やすくなります。
また、上半身と下半身の連動も重要です。足だけに集中すると、ラケットの構えがおろそかになりやすいため、常にラケットを使える位置に構えておきましょう。

初心者でもできる!おすすめ練習方法
誰でも取り組みやすい練習方法をいくつか紹介します。小学生や体力に自信のない人でもできる内容です。
- ラダートレーニング:細かく足を動かす練習
- シャドウフットワーク:コートの上で動きだけを練習する
- シャトル置き練習:シャトルをいろいろな場所に置いて、それを取りに行くように動く
さらに、メトロノームや音楽に合わせてリズム感をつけながら行う練習もおすすめです。リズムを意識することで、動きがスムーズになり、疲れにくくなります。
ラダートレーニングとは?フットワークを速く正確にするための練習法
ラダートレーニングは、地面に置いたはしご状の器具(ラダー)を使って行う、フットワークの基本を鍛える練習です。バドミントンでは、素早く、正確に、そしてバランスよく動くことが求められるため、このトレーニングはとても効果的です。
マス目に合わせてステップを踏んでいくことで、足の細かい動きや切り返しのスピード、反応力、リズム感などを同時に鍛えることができます。動きのパターンはとても豊富で、「イン・アウト」「ツーステップラン」「サイドシャッフル」など、さまざまなメニューがあります。
ラダートレーニングのメリットは、足腰の筋力を鍛えるだけでなく、シャトルに反応するまでの「最初の一歩」を速くする力が身につくことです。フォームを意識しながらテンポよく行えば、ゲーム中の動きがより滑らかになります。
最初はゆっくりと正確に踏むことを意識し、慣れてきたらスピードを上げていくと、効果がさらにアップします。室内でもできるため、日常の練習に取り入れやすいのも魅力です。
シャドウフットワークとは?シャトルなしで動きを磨く実戦的トレーニング
シャドウフットワークは、シャトルを使わずにコート上で実際の試合をイメージしながら動くトレーニングです。フォームの確認やステップの正確さを高めるために、初心者から上級者まで幅広く取り入れられています。
この練習では、コート上を前後左右に移動しながら、実際にシャトルが来ると仮定してスイングの動作も加えます。実戦に近い動きが身につき、試合中のフットワークがより自然で効率的になります。
シャドウフットワークのメリットは、ミスを気にせずフォームに集中できること。動きながらラケットの構えや足の運び方、重心の位置などを細かく調整できるため、クセの修正にも最適です。
最初はゆっくりとしたテンポで動きの流れを確認し、慣れてきたらスピードを上げて本番を想定した練習に切り替えましょう。自分のプレーを動画で撮って見返すと、さらに効果的に改善点が見つかります。
シャトル置き練習とは?コート感覚と足の運びを同時に鍛える方法
シャトル置き練習は、コートのさまざまな位置にシャトルを置き、それを取りに行くようにフットワークを行うトレーニングです。シンプルですが、動きの基本を確認しながら距離感やバランス感覚も養える非常に効果的な方法です。
この練習では、あらかじめネット前・左右・奥などにシャトルを配置しておき、決められた順番にシャトルの場所まで素早く移動し、構える動作やラケットスイングの動きを加えながら行います。
シャトルを「打つ」のではなく「触れる」「拾う」といった軽い動作にすることで、無理のないフォームチェックができ、初心者でも安全に取り組めます。動きながらシャトルの位置を把握する力もつくため、試合中の判断力や準備の速さにもつながります。
最初は少ない本数から始め、慣れてきたら配置する本数や順番、移動スピードに変化をつけて難易度を上げていくと効果的です。体力強化と集中力の向上も期待できるおすすめメニューです。
試合で活きる!フットワークの応用テクニック
基本の動きができるようになったら、試合の場面をイメージした練習もしてみましょう。
たとえば、コート奥のシャトルに素早く移動して高い打点で打ったり、打ったあとに真ん中に素早く戻ったりすることが大事です。
また、相手の動きを予測して先に準備をしておく「予測フットワーク」も試合ではとても役立ちます。相手のラケットの向きや動きを見て、どこにシャトルが来るかを想像しながら動く力をつけましょう。
さらに、試合で疲れてきたときほど、フットワークの質が勝敗を分けます。効率よく動けるようにするためにも、体力や持久力を鍛えるトレーニングも忘れずに取り入れましょう。
- 縄跳び:ジャンプ力とリズム感を養う
- スクワット:足腰を強くする
- 体幹トレーニング:姿勢とバランスを安定させる
まとめ:フットワークを制してバドミントンをもっと楽しもう
フットワークは、今日すぐに完ぺきにできるようになるものではありません。でも、毎日コツコツと練習すれば、少しずつ体が覚えていきます。
構え、動き出し、止まり方、戻り方など、一つずつ意識しながら練習してみましょう。
初心者でも、正しいやり方で続けていけば、確実にうまくなります。まずは今日から、ラダートレーニングやシャドウフットワークなど、できるところから始めてみましょう。
継続することで、少しずつ自信もついてきます。フットワークが身につけば、バドミントンの楽しさもぐんと広がります。
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